幸福度の高いデンマークで感じる「ベストを目指さない」という価値観

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北欧ツアーコーディネーター。冒険とデンマークが大好きな92年生まれ

デンマークはよく「世界一幸せな国」として紹介されることが多いですよね。

なぜかというと、国連の世界幸福度ランキングで2013年、2014年、2016年に1位にランクインしているから。今年はノルウェーが1位ですが、数字的にほとんど差はありません。

この「幸福度」については多くの記事でも取り上げられていますが、国連が発表したものはあくまで教育システムや福祉の充実、政治の透明度などを数値化したもの。

実際、今まで会ってきたデンマーク人たちの中では世界一幸せな国に住んでいると思っていない方も多いです。高福祉社会だからこその弊害、難民問題、冬の暗さや娯楽のなさ(笑)などさまざまなことに苦労していますからね。

それでも私からしたら幸せそうに見える!

ということで、この記事ではシステムではなく、デンマーク人の内面に目を向けて幸せを探っていきたいと思います。

ベストじゃなくていい。
小さなことに喜びを見出す、素朴な人たち

デンマーク人の生活の中に入ってみて、私が素敵だなぁと思うところは「素朴さ」です。

先ほども言った通り、あまり娯楽がないんですね。日本みたいに遅くまで店は営業してないし、だいたい同じもの食べてるし、遊ぶ場所のバリエーションも少ない。

そのため、自然と行動が制限されています。いい大人が追いかけっこやボードゲーム、クイズで大盛り上がりする場面を何度も見てきました。だけど楽しいんですよね、これが!

日本だったらクオリティの高いゲームや、便利なものをたくさん作り出せると思うのですが、彼らは彼らのささいな日常の出来事に満足しているので、多くを求めません。

「デンマークなんて小さな国」という認識

どこか諦めているようにもとれるこの言葉。

これは実際にデンマーク人と接して経験したことなのですが、実に多くの人が「デンマークなんて小さいから、世界に大して影響を与えていない」と言っています。

たしかに、経済面など世界に与えるインパクトでデンマークが首位になることはありません。戦争だって何度も負けてきましたし。

だから、といっては何ですが1位になろうとか競争しよう、みたいな気持ちをあまり感じられないんですよね。もちろん、サッカーを見ている時などは北欧のヴァイキング的な血気盛んな一面を見ることはできるのですが(笑)

まぁ1位になることはない。現実的に目標設定をして、ベストな状態は目指さない。だから、自分が設定した目標を少しでも超えられたら満足する。

そんな考え方を感じています。

目標設定については、デンマーク人のYoutuberの方も語っているので見てみてくださいね。(5:13~英語音声+英語字幕)

日本人の私からすると、多少時間がかかっても最高のものを作りたくなるので、あまりのゆるさにモヤモヤする時も多いです(笑)

ヤンテの掟

デンマークには、ヤンテの掟と呼ばれる10カ条があります。

もともと小説に書かれた一説で、簡単にいうと「常に謙虚であれ」という価値観ですね。

1. 自分が特別な存在だと思ってはならない
2. 自分が人と同様に有能だと思ってはならない
3. 自分が人より賢いと思ってはならない
4. 自分が人より優れているとうぬぼれてはならない
5. 自分が人より物知りだと思ってはならない
6. 自分が人より重要だと思ってはならない
7. 自分が人より何かに秀でていると思ってはならない
8. 自分は人を笑ってはならない
9. 自分が誰かに助けてもらえると思ってはならない
10. 自分が人に何かを教えられると思ってはならない

このヤンテの掟が現代のデンマーク人みんなに根付いているかというと疑問ですが、他人と比べて自分が人として優れてると思うなというのは、社会的地位によって価値が決められがちな日本社会には、大事な考え方ではないでしょうか。

Hygge(ヒュゲ、ヒュッゲ)

この言葉を知っている方は、でたー!!!と思うことでしょう。

意味は「居心地がいい時間や空間」です。

寒い日に、ホットココアを飲みながら団らん。暖炉の前でくつろぐ。海辺でビールを飲む。友達と楽しい時間を過ごす。全部Hyggeです。

だからこれもHyggeだし、

これもHygge!

もしかしたら、デンマーク人が最も大切にしている言葉かもしれません。だって、別に大したことしてなくてもいいんですよ。

小さなことでも喜び、楽しむ。それで満足だと感じられるから、デンマークの人たちは幸せに見えるのでしょうね。

幸せだと感じるハードルを少し下げてみる

こんなにも彼らが幸せそうに見えるのは、私が典型的でマジメな日本人だからでしょう。隣の芝生は青く見える状態です。

福祉や生活レベルが高いから、可能なこともあります。デンマークと日本じゃシステムも国の規模も違いますし、一概にデンマークに学べ!とは言えませんよね。

ただ、彼らは私が学校のテストで平均点を取った時にはすごいと言う。プレゼンテーションが上手くできなくて悔しくても、知らないことをたくさん知れて良かったと言う。

正直「なんでそこで(このクオリティで)満足できるんだろう。」と疑問でした。

自分は最善を尽くしたいので、この考え方がいつも正しいとは思いません。しかし、デンマークにいるともう少し素直に幸せな側面に目を向けようとも思えてきます。

だから日本でマジメすぎるほどマジメに生きている方たちは、もう少し肩の力を抜いて人生のハードルを下げても良いのではないでしょうか。

そして、別に大したことはなくても、ただ周りの人と笑い合ったり、くつろいだりすることを「幸せ」と呼びたいですね。