ペーパーレス、キャッシュレスが「嫌だ」デジタル化する北欧社会に取り残される人たち

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北欧ツアーコーディネーター。冒険とデンマークが大好きな92年生まれ

帰国してすぐ、ラッキーなことにデンマークのメディアとお仕事ができました。

2017年は日本とデンマークの国交150周年なので、デンマークの公共放送DRによる東京取材に同行してきたのですが、彼女らと話している中で面白いなと思ったことがあります。

それは「デンマークや北欧ではデジタル化がどんどん進んでいて、デジタル先進国。でも、そういう社会がたまに嫌になる」という、デンマーク人女性リポーターの意見。

ここで話題に出たデジタル化とは、データの電子化をして紙の書類やチケットを使わなくなること、そして現金ではなくカードやモバイルペイなどの電子決算をすることでした。

日本でも欧米に倣ってどんどんデジタル化が行われていて、便利でいい流れだな~と思っていたところにこの意見ですよ。

なぜリポーターの彼女はこう言ったのでしょうか?ちょっと掘り下げてみます。

デジタル化が進む北欧諸国

デンマークから来日したとき、彼女らは「日本はハイテクなイメージがあった」と言っていました。

それが来てみてびっくり。さまざまな手続きには紙の書類が必要だし、チケットはいまだに紙が発行されるし、カード払いも増えてきたものの、まだまだ浸透していません。

日本はハイテクだし技術力で変えられる力があるのに、なぜいまだにこんなアナログなんだ!と海外の方が言うのもわかります。

デンマークなどの北欧諸国は、そういった状況とは対極にあるかもしれません。

現金はほぼ使わず、カード社会です。コーヒー1杯飲むのにはカード。コンビニでガム買うのもカード。モバイルペイも使えます。

デンマーク国立銀行の調査を見てみると、デンマークはヨーロッパの中でも電子決算が進んでいるということは間違いなさそうですね。生活していてもそう感じます。

そして、紙の書類や教科書はどんどんなくそう!という動きがあるようです。私が留学した高校でも、そしてホストブラザーの通っていた中学でも、授業はほとんどパソコンを使って行われていました。

まさにペーパーレス、キャッシュレスの世界です。しかし、そういった流れの中で、現にこのデジタル社会に取り残されている人がいるのも事実。

参考:Danes are Front-runners in Electronic Payments

取り残されているのはどんな人たちなのか

さきほどの「たまに嫌になる」といった女性と話しているうちにわかってきました。

主にかなり高齢の方で、デジタルでのデータ管理が苦手。そもそも変化の多いネットが苦手な層にとっては、なんでもデジタル化されるのは不便とのこと。

アナログではやっていけない

さすがにご時世にまったくパソコンを使わないで生活している、という人はあまりいないでしょう。

ですが、やはり今までやっていたように紙で管理した方が安心するという人はいますよね。メモは紙にしたいし、手帳を使いたい。現金もまだまだ使いたい。

デジタル化され続けている「便利な」社会で、自分も適応できるように新しいシステムの導入にくらいついていくことが大事。ですが、戸惑う人がいるのは日本も北欧も同じだよな、とリポーターの彼女の話を聞いた時に思いました。

ちらっと聞いたのですが、IT大国のエストニアでは住民登録ですらオンラインでやるって本当でしょうか?!

個人的な意見としてはわざわざ市役所に足を運ばなくていいので、めちゃくちゃ助かるなぁと思うのですが、それこそお年寄りの方でネットが苦手だったらどうするんだろう?と思います。

キャッシュレス反対の理由

デンマークには、デンマーククローネ(DKK)という独自の通貨があります。

北欧仲間のスウェーデンやノルウェーも、それぞれ自国の通貨を持っています。

先ほどもいったように、これらの国では現金があまり使われなくなっているのですが、その背景には通貨が他国で使えなくてあまり流通していないということがあります……。

現に私も「なんでユーロとか共通の通貨を持たないの?」と北欧旅行をした時に思いました。どこでもクレジットカード払いができるので、両替の必要もなくていいのですが。

最近では、カード払いのみを受け付けているレストランやホテルなどもあります。現金を盗むスリや強盗などを防ぐ目的もあって、国をあげてキャッシュレスにしようとしているようです。

逆にキャッシュ賛成派のリポーターの彼女が言う理由はまずひとつ、通貨は自国の文化でもあるのでなくせばいいってもんじゃない。デンマークの通貨は、王国らしく王冠とハートが入っていて可愛いんですよね。

ふたつ目は、犯罪を減らす目的について、現金がないならないで別の方法を考えるだけだよねということ。実際にスキミングやサイバー犯罪は起こっています。

みっつ目は、まさかのカードだと自分がどのくらい使ったのかわからなくなるから不安という意見。

き、聞いたことあるーーー!!使い過ぎちゃいそう、みたいな現金派の意見だ!!!

すぐに決算されるデビットカードを使って、オンラインバンクで残高確認すれば自分の使った額がすぐにチェックできるので、あまりそういうことは起こらないのですが……。

慣れないものに適応していくのは、どこの国の人でも大変だとわかります。

便利だけど不便なデジタル社会

私個人の意見としては、やっぱりオンライン上でさまざまな手続きできるのは便利だし、カード払いも日本でもっと普及したらいいと思っています。

日本にいる時は何も思いませんでしたが、海外から来る方にとっては不便そのもの。成田空港について、ATMでわざわざ円を引き出している人の多さですよ。

きっと日本では現金をもっておけ!とネット上で情報があがっているのでしょうね。

一方で、デジタル化がどんどん進められている北欧の一国の流れについていけない!と思う国民もいるということは発見でした。

便利だけど、すべて電子化してしまうと逆に不便。日本も以前に比べたらだいぶデジタル化が進んでいると思うので、ネットに詳しくない人でもわかりやすいシステムに出来たらいいですよね。

ではまた~